【知りたい!お口の健康】口内フローラとは?

こんにちは。ゆっきーです!(@yukicalifornia7)
大分長い期間、ブログをお休みしていましたが(すみません!)、今日から改めてスタートしたいと思います!
さて、本題。
これまで「腸活」や「腸内フローラ(腸内環境)」という言葉を聞いたことがありませんか?
腸活にもいろいろな方法があるのですが、要は「腸内にいる善玉菌を増やして、健康になろう!」というもの。
実は、腸内の環境を整えることが、メンタルヘルスにも重要な影響を及ぼことも知られています。
これを「脳腸相関」っていうのですが、これはまた別の機会にお話しすることにして、腸内フローラと同じものが口の中にもあるんだってことを今回は紹介したいと思います。
「口内フローラを整えるとどんなメリットがあるの?」
といった疑問に答えていきます。
口内フローラって何?
口内フローラとは、口の中にたくさん生息している細菌や微生物の細菌叢(そう)のことです。
「え?「叢」って何?」と思いますよね。
叢とは「集団」という意味があって、「フローラ」と呼ばれることもあります。
なんで「フローラ」と呼ぶのかというと、細菌が存在している状態を顕微鏡で見ると、まるでお花畑のように見えるので、それにちなんで「フローラ」とも言われています。
だから口の中の細菌の集まりは「口内フローラ」、腸の中の細菌の集まりは「腸内フローラ」というわけです。
さて、口の中に細菌と聞くと驚くかと思いますが、これは「ヒト常在細菌叢(そう)」といって人の体に常に生息している菌のことです。
口の中だけでなく、皮膚や腸内など、それぞれの部位で独自の集団をつくり、体にいろいろな作用を及ぼしています。
口の中にはどんな細菌が住んでいるの?
気になるのが、どんな細菌が口の中にいるのかということですよね。
よく知られているのが腸内にいる「善玉菌」「悪玉菌」「日和見(ひよりみ)菌」ですが、これらが口の中にも存在しています。
・悪玉菌:体にデメリットを及ぼす
・日和見菌:善玉菌と悪玉菌の優勢な方に姿を変える
これらの細菌が口の中のどこに存在するのかというと、歯の表面や歯周ポケット、舌表面、頬の粘膜、唾液など…いわゆる口の中全部に存在しています。
歯の表面でも舌でも、それぞれの細菌が生息する場所ごとに特徴のある細菌フローラをつくっていると言われています。
さらに驚くのが口の中にいる最近の数です!
なんと口内細菌は、約500〜700種類以上いて、きちんと口腔ケアができている人は約2000億、口腔ケアが不十分な人だと約4000〜6000億の細菌が口の中に住んでいるというのです。
口内細菌には、善玉菌・悪玉菌・日和見菌が含まれているのですが、実際にどのような菌がいるのかは正確にはわかっていないのが現状と言われています。
そんな口内細菌の中でも、100種類の悪玉菌が虫歯や歯周病の原因になっているそうです。
口内で悪玉菌が増えるとどうなるの?
さて、健康的な口内フローラでは、善玉菌9割・悪玉菌1割のバランスが整っているのが理想的と言われていますが、このバランスが崩れると、口の中だけでなく体にもデメリットが生じてきます。
口内の悪玉菌が増える・虫歯や歯周病になると、歯と歯肉の間に隙間ができるなどして、血管内に細菌が簡単に入り込みやすい状態になってしまうのです。
悪玉菌が体内に入りこむと、細菌の感染で血管の中に炎症が生じてしまいます。
次に、その炎症を和らげようとして血液の中に悪玉コレステロールが増えて、今度は動脈硬化(血管の老化を引き起こす)や心筋梗塞につながることも指摘されているのです。
さらに、年配の方など誤嚥(ごえん)によって細菌が誤って肺に入り込むと肺炎になったり、また消化器系に入れば腸内フローラにも影響が出ると言われています。
そこで、こんな質問も出てくるのではないでしょうか。
「口内細菌が体内に入って体へのデメリットを引き起こすなら、口内細菌にどんな菌が含まれているのか調べられないの?」
実は「メタゲノム分析」という手法を利用して、口の中だけでなく、腸内フローラにもどんな細菌がいるのか調べることもできるようです。
この細菌分析についてはちょっと難しいので、またの機会にご紹介できたらと思います。
まとめ:口内フローラを整える口腔ケアが大事!
口内フローラのバランスを整えるのが口内の健康だけでなく、体の健康にとっても大切なことは言うまでもありません。
そこで大切なのは、口内の悪玉菌が増えないようにするお口のケアです。
とくに悪玉菌でもある歯周病菌は、歯と歯の隙間や歯周ポケットに潜んでいるので、毎日のブラシケアだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシを使ってケアすることをおすすめします!
「デンタルフロスを使ったことがない!」という人も、使い方がわからなければ歯科受診で相談するなどしてぜひマスターしましょう。
以下の動画にもフロスの使い方が紹介されています。
>> 厚生労働省 e-ヘルスネット「デンタルフロスの使い方」
実際に、私も30歳前に歯の矯正をはじめてから、かれこれ十数年はデンタルフロスを使っています。もうフロスのない口腔ケアは考えられません。
普通の歯磨きでも、寝る前の歯磨きをとくに念入りに行うことで、寝ている間に増える菌を減らすことにもつながります。
そして、もう一つ。
朝起きがけの歯磨きも忘れずにすることです。朝起きてから歯磨きをしないままで朝食を食べたりすると、口内の雑菌を飲み込んでしまうのです。
寝起きの歯磨きのあとは朝食をしっかりとり、唾液の分泌を促すことが口の中の殺菌にも役立ちます。
まずは、口腔ケアにまつわる習慣を身につけて、ぜひ口の中の健康を改善するようにしてみてくださいね。
ゆっきー
参考文献
JA山梨厚生連 健康応援サイト;「口内フローラ」を整えて虫歯&生活習慣病予防
廣末晃之;口内フローラと全身の健康,第4回嚥下障害診療センターミーティング,2014
山下喜久,口腔フローラが口腔と全身の健康に及ぼす影響の解明,科学研究費補助金研究成果報告書,2010